有機農業・無農薬農業は自然（微生物）の機能を活用させるシステムです。
そのため、有機肥料や堆肥の種類よりも、いかに微生物を機能させているかが非常に重要となります。
私たちは微生物をより効率的に機能させるために、微生物菌叢を利用した菌叢農業を進めています。
近年では、慣行農業により、連作、農薬、化学肥料の多用による薬剤耐性菌の連鎖と土壌を疲弊させるサイクルが長年続けられた結果、各地の特産品の農作物が病原菌により減収となるニュースを見ることが多くなりました。
さらに、土壌が疲弊してしまっているところに、温暖化による異常気象が拍車をかけています。
疲弊している土壌では、化学肥料など植物が吸収しやすい栄養しか与えなかったり、農薬で生物を減らしてしまうため、微生物菌叢が崩れてしまっています。
良い土作りとは多様性の高い土壌である事が明らかになっています。実際にこのような土壌をつくる熟練の農家は、経験と勘で行っています。私たちは経験や勘ではなく、すべての人が多様性の高い良い土壌で農業ができるよう研究開発を行っています。
多様性の高い土壌にするにはどうすれば良いか？
一般的に微生物資材は汎用的な菌を使用しているので、その土壌にあるバイオフィルムにより阻害されやすいため定着しにくい傾向があります。結果として、効果があまり出ない状況になってしまいます。
医療分野においても同様に、市販の乳酸菌よりも腸内細菌に住みついた菌のバイオフィルムが有用であるため、健康な人の便移植が注目されています。
そこで、私たちは微生物単体の能力でなく、土壌菌叢に効果があることに注目をしています。